例題5.2
 コンクリート強度30N/mm2,柱一本辺りにかかる軸力が2.5×106Nである建物の柱に横補強筋がなかったとして柱の終局強度と破壊パターンを予測してみよう。

(解答) コンクリートの引張強度は, 圧縮応力度σ0は式(5.12)より2.5×106 /8002=3.91(N/mm2)である。したがってせん断ひび割れ強度Qc は式(5.13)より

となる。安全係数0.51をかけるとQc =0.70×106 Nとなる。一方,例題4.12によれば曲げ破壊により柱に生じるせん断力は1.48×106 N でありQcよりはるかに大きい。上からの軸力も大きいので,地震時には下の図のような非常に危険なせん断破壊をして,上階が斜めにずれ落ちるものと予想される。