サイン計画の考え方
(1)サインの種類

@ 案内板

地区、地域やその建物、施設などの全体的な状況を示し、地域内の事物の所在や位置、現在地との位置関係などを確認するための機能を持つ。地図や配置図のように、空間の構造や施設の構成を案内する面的な情報を伝えるサイン。

A 看板

場所や物を特定する点的な情報を伝えるサインが看板である。施設名称などがこれにあたる。

B 道しるべ

観光客を目的地に誘導し、的確な導線をつくるために方向や行き先を示す線的な情報を伝えるサイン。

C その他のサイン

・ 説明板

窯元や歴史文化、施設などの内容を紹介し、理解の促進をはかる情報を表示するサイン。事物の案内や歴史などを解説する。

・ トイレ、休憩所のサイン

トイレ、休憩所の場所を示すサイン。

・ コミュニティー看板

市之倉や周辺地区のイベントや、まちづくりの経過、提案などを掲示し、住民や観光客に親しみと理解を深めてもらうための情報掲示板。まちづくりに対する意見を住民や観光客からより多く募るためにもコミュニティー看板は有効であろう。

(2)設置の考え方

@ わかりやすく

散策路を歩いて迷うことのないように、観光客の目にとまりやすい場所に設置し、そのサインの示す内容が見やすくわかりやすいことが必要である。道しるべは、観光客にとって理解しやすい簡潔な内容にすることが望ましい。

A フレキシブルなサイン計画

新たに窯やギャラリーができるなど、状況の変化に対応できるサイン計画が必要である。設置場所やサインが示す内容を変更することが容易なサイン計画にする。したがって手づくりのものが望ましい。神社などの内容が変化しないものについてのサインは、恒久的なものでよい。

B 場所の特徴をもたせる

場所の特徴をもたせたサインによって、あるまとまりをもった一体感が生じる。小径・散策路はそれぞれの場所の特性を示すものであるため、サインも経路ごとに場所の特性をもたせる必要がある。景観を損ねないように決して突出することのない個性的なサインの設置が必要である。

(3)デザインの考え方

@ 手づくり
住民自らが設置場所やサインの内容を変更できるように、手づくりのものがよい。市之倉は芸術のまちであるため、各窯元の看板は各々で個性のあるデザインを試みていただきたい。案内板や道しるべなどの公的なサインは、デザイン公募をするなどして、市之倉らしいデザインを模索することも一策である。

A 個性を出す
個人のサインについては、統一するよりも各々の個性を出すことが、まちの魅力につながると考えられる。公的なサインについては、個人の個性ではなく、まちの個性を出すことが必要である。したがって、デザインコードを統一するなど共通性を有するデザインが望ましい。
手づくりによって個性を出すことも良いが、既成のものを利用して新しいものを創造するという個性もある。様々な方法があるため、何度も試すことが必要であろう。そのためにも、フレキシブルなサイン計画が必要である。

(4)実施体制

@ まちの人の組織づくり
『市之倉まちづくり実行委員会』のみではなく、自治会の方々、各種組合、住民全体に広く意見を求め、維持・管理していくための組織づくりが必要であろう。

A 役所、各種組合の連携
役所、各種組合の連携が実施に向けて重要である。


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