Last revised on 20 Jul. 2011

景観計画プロジェクト



 都市眺望景観×視点高さ

<名古屋市、2010年-現在>

 「俯瞰する眺望景観は、近年、都市の建築物の高層化により日常的なものになりつつあり、重要性を増している。俯瞰して眺望行為を行うことで、地上から観るよりも広域を瞬時に視認することが出来、まるで地上とは別世界にいる鳥の視点を持ったような感覚になる。意識的・無意識的に眺望景観から都市形態を把握し、都市に対して様々な印象を持ち、どのような都市であるかをイメージする。このような眺望景観の印象を明らかにし、魅力的な都市形態を思案するに有用な知見を得るため研究を進めている。
 特に本研究では視点高さに着目し、各々の視点高さの眺望景観の特性を素描景観による構図評価、印象評価、そして魅力度から把握する。ここでいう素描景観とは被験者が魅力に感じた眺望景観を制限時間内にスケッチしたものである。限られた時間で景観をスケッチする手法は、被験者が都市の構成要素の中で無意識的に重要視しているものを浮彫りにし、被験者の感じた都市像を端的に表す方法として適切であるといえる。加えて同一視点上で視点高さを変化させ、各評価の関係性を捉えることで、魅力ある景観づくりの方法をより細密に思考することが可能である。


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 景観形成重点地区指定のためのまちなみ調査業務

- 可児市元久々利地域を対象とする -

<可児市 2010年-現在>

 岐阜県の南部、可児市の東端に位置する元久々利地域は、東から西にかけて久々利川が流れ、扇状地の上に位置する集落で、西側には水田が広がる自然に恵まれた地域である。
 田畑越しに集落を眺めると傾斜した瓦屋根の連なりが背後の山と調和しており、横方向の広がりを感じさせる。集落内は、旗本時代から整備された地区割りを残しており、整備された道路と地形に沿ってつくられた蛇行する道路が絡み合い街並をより魅力的なものとしている。畑やポケットパークが所々に設けられていたり、広い庭を有している住宅も多いため建物の密度が高すぎるということはなく、また、古くからの石垣や水路が残されており歴史を感じさせる。集落内の建物はほとんどが住宅で、商業施設は地域の住民が日常的に利用する規模ものがいくつか存在する程度であり、住環境は非常に良好である。
 近世を通じて、木曽義仲を先祖とする旗本で尾張藩家臣であった千村家の居住地があり、近世に入るまで尾張藩領であった。地区内には、現在、地域内には、泳宮、八幡神社、八剣神社、東禅寺、春秋園、久々利城址、西山謙之助生家など景観資源が数多く存在する。
 本プロジェクトは、平成22年度に行われたワークショップにおいて、景観形成重点地区指定に向けたルールづくりのための基本資料作成を目的にしている。


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 住-学-行-産協働による木曽川景観まちづくりプロジェクト

<美濃加茂市、可児市 2010年>

  美濃加茂市の地元住民まちづくり団体・NPO 法人宿木(他3団体)と可児市の地元住民まちづくり団体・木曽川左岸遊歩道友の会は、これまで別々のまちづくり活動を行ってきた。しかし、木曽川を挟んで隣接する2市は共に「中山道」「木曽川」を地域の魅力として考えている。互いに協力してまちづくりを推進した方がより良い活動が出来るのではないか?
 そこで、私達大学研究室が間を取り持ち、互いの魅力を活かした地域連携による広域まちづくりプロジェクトを始動した。
 プロジェクトを推進するに当たり、まず第一に考えたこと。それは、「プロジェクト参加者や地域に暮らす住民の方々にとって有益なプロジェクトにしたい!」という事である。共通の魅力である「木曽川」「中山道」を軸に、地域内に存在する様々な魅力を「繋ぐ」プロジェクトとして、本プロジェクトは対象地域の将来計画案を作成する。

  


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 中津川市本町中山道地区のまちづくり実践

<中津川市 2006年-現在>

 本町中山道地区はかつて中山道の中津川宿として栄え、現在でも往時の環境をしのばせる地区である。特性としては、道路形状、一部開渠の水路、案内板、江戸時代の建物など伝統環境が残っている一方で、新しい形態の建物も増えてきている。
 2005年に中津川市が景観行政団体となったのを機に、2006年には景観計画策定のための資料作成を行った。具体的には、景観重点地区を対象とした景観特性調査を行った。2007年には景観計画が策定され、2008年には住民組織である「本町中山道景観協議会」が発足し、まちづくり実践のための基礎的調査を行った。2009年には建物ファサードなどの私的部分の修景案を作成し、2010年には街路空間などの公的部分の整備方針を作成した。
 本町中山道地区におけるまちづくりの特徴としては、住民・大学・行政・産業の4つの団体が連携し、まちづくり実践を行っているところである。


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