Last revised on 4 June 1997
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心象風景研究に関する研究
 
○心象風景とは

 我々は、現代都市における生活空間を少しでも豊かで住みよいものとするために、日常生活の中で体験する様々なと都市空間の断片を核としながら、少しずつ肉付けを行い、自分なりの空間を形成していく。この形成された空間のうち、多くは同じような日々の生活の中で忘れ去られているが、あるものは記憶として定着する。
 記憶として定着したものは、何か意味や価値を持って我々に働きかける風景であり、その風景の価値や意味を理解するために心の中で醸成したものが心象風景となる。この心象風景こそが今日失われつつある都市の固有性を表徴するものであり、都市のイメージを喚起する景観構成要素となるのである。
 この観点において、心象風景の所得性を把握することは、魅力的な都市空間の創造に必要不可欠と言える。

○新聞記事に見られる都市空間

 新聞は多くの人々に、日々変化する社会全般の情報を与える影響力の強い主要なメディアであり、記事の中には都市の様々な空間に対する特徴や印象が記述されているものもある。それらの掲載空間は筆者の心象風景とも言えるが、都市の中で特に話題性をもった空間が活字に要約されて述べられているものと考えられる。話題性には良い面での話題性と悪い面での話題性があるが、それらは都市の魅力の一側面に関係していると思われる。

 
 

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