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印刷用PDF作成の注意点
印刷トラブル回避のために〜
印刷用PDFファイル作成には、注意点が数多くあります(ちなみに、印刷用PDFと電子データ用PDFは、設定内容が異なる)。
特に注意すべきは、フォントとグラデーションを使った図形の取り扱いです。
これらが適切な設定でPDF化されていない場合、印刷エラーがでて印刷できません。
※ある程度の専門知識が必要なので、PDF作成と確認には、十分な時間を確保すること。
作成時と印刷時に必ず確認〜
作成した印刷用PDFは、作成後、直ちに確認すること。また、印刷時にも最終確認すること。
AdobeReaderでの表示がOKでも、プリンタの印刷プレビューで正しく表示されない場合は、正しく印刷されません。
印刷プレビューで表示されたとおりに印刷されます。
可能ならば、インクジェットプリンタ(EPSON製ならなんでも)の印刷プレビューで事前に確認すると良いです。
ビットマップ化は、諸刃の剣〜
ビットマップ化すれば、フォントや図形の問題は解消されるはずだが、実際はそううまくはいかない。
ビットマップ化するとファイルサイズが格段に大きくなります。
PCまたはプリンタの処理能力を超えたファイルサイズの図面は、印刷エラーとなって印刷できません。
★印刷用PDF作成の基本的注意点:
1)できるだけ軽いPDFにする(プリンタは解像度600dpiで出力するので、それ以上に設定しても意味がない)。
2)アプリケーションの問題点を回避する。
3)フォントは埋め込む(エンベット)かアウトライン化する。
4)埋め込みできないフォント or フォントにエフェクトをかけている場合、フォントをアウトライン化する。
4)ICCプロファイルは埋め込まない。
5)A1サイズの図面枠(もしくはトンボのような目印図形)を描いて、その外に図形がはみ出さないように図形を編集すること。
6)作成したPDFファイルが正しく作成できているか、しっかり確認すること。
★VectorWorksで印刷用PDF作成の注意点:
VectorWorksでオーバーレイやグラデーションを使用している場合〜、
ファイル〜プリント〜、で、印刷ダイアログを開き、
「イメージをビットマップでプリントする(長時間)」をチェックして、PDFを作成する。
★AdobePDF(AdobeAcrobat)の設定例(推奨):
PressQualityの設定をベースにオリジナル印刷設定を作成する。
変更する項目〜、
一般〜ファイルオプション〜、中の、「互換性のある型式」を「Acrobat4.0(PDF1.3)」を選択。
一般〜ファイルオプション〜、中の、「解像度」を「300、450、600」のいずれかに変更。
画像〜、中の、各解像度を「200、300、450、600」のいずれかに変更(図面内の画像量によって調整する)。
フォント〜、中の、「すべてのフォントを埋め込む」をチェック。
★AdobePDFオプション(Illustrator内部機能)の設定例(推奨):
メニューバーの「編集」>「PDF設定...」で印刷用にPDF設定を作成すること。
例:
一般〜互換性〜、の、「Acrobat4.0(PDF1.3)」を選択。
圧縮〜画像〜、各画像設定の、「ダウンサンプル(バイリニア法)」を選択して、各解像度を「200、300、450、600」のいずれかに変更(図面内の画像量によって調整する)。
トンボ・裁ち落とし〜、は、使用しない方が無難。
詳細設定〜カラー〜、の、「ICCプロファイルを埋め込む」のチェックをはずす。
★PrimoPDFの設定例(推奨):
プリンタリストからPrimoPDFの「プロパティ」を開く。
全般〜印刷設定〜詳細設定〜、を、開く。
カスタムページサイズ:幅594mm×高さ841mm。
用紙の向き:短辺から出力。
グラフィックス〜印刷品質:300dpi。
PostScriptオプション〜TrueTypeフォントダウンロードオプション:アウトライン。
他は標準設定のまま。
PDF印刷時に現れるダイアログ中のPDFSettingsは[Print]か[EBook]をチェック。
※おまけ
★PDF/Xファイルの作り方:
(適切なカラープロファイルをインストールする必要有り)
1)PDFファイルの作成(AdobePDFでもPrimoPDFでもどちらでもよい)
2)AdobeAcrobatを起動し、作成したPDFを開く
3)「名前を付けて保存」を選択、ファイルの種類をPostScript(*.ps)に変更。
4)その下の「設定」ラジオボタンを押し、PDFからの変換設定を確認。
5)「プリンタ記述ファイル」〜、を1)で使用したPDFソフトにする。
6)「カラー」項目の「カラー」〜、から「コンポジット」を選択。
7)「カラー」項目の「カラープロファイル」〜、から「Japan Color 2001 Coated」を選択。
8)「作業用カラースペースを適用」をチェック。
9)PSファイルを保存する。
10)AcrobatDistillerを起動。
11)「AdobePDF設定」〜「デフォルト設定」〜、から「PDFX1aJapanColor2001Coated」を選択。
12)「ファイル(F)」〜「開く(O)...」〜、を選択し、作成したPSファイルを開く。自動的にPDF/X変換が始まる。
13)エラーがなければ、ログファイルとPDFファイルが作成される。エラーがあるときはログファイルのみ。
14)AdobeAcrobatなどで作成されたファイルを確認。
2007/2/19