創設趣旨
わが国の建築設計は、個人建築家を主宰者とするアトリエ型設計体と、大規模設計事務所及び建設業の設計部という組織型設計体と、双方の力によって支えられている。前者は独創性に重点を置き、後者は機能性に重点を置くが、建築という総合的な文化にとって、独創性と機能性は不可分な存在である。
しかし近年、アトリエ型に比して、社会の大きな建築需要を支える組織型に属する若手設計者には、世に認められるチャンスが少ないように感じられる。
本賞は、組織型設計体において、特に若手設計者によって設計された、創造的で、かつ機能的、技術的にも卓越した建築作品と、その設計者を表彰する。実際に施主と打ち合わせし、空間の隅々を決定し、自ら図面を引く設計者の努力を激励することを目的としている。
名古屋工業大学建築学科は、わが国の建築高等教育を担ってきた古い歴史を持ち、特に組織的な建築設計の場に優秀な人材を輩出してきた。鈴木禎次は、その創成期の建築教育を支え、いとう呉服店(松坂屋の前身)、伴華楼(伊藤家別荘「揚輝荘」内)、重要文化財 諸戸家住宅主屋洋室などの実作によって東海の辰野金吾とも言われた建築家である。夏目漱石の義弟としても知られ、『三四郎』の初めに名古屋が出てくるのはそのためであると言われている。
光鯱会(名古屋工業大学建築学科同窓会)は、創設100周年にあたり、鈴木禎次の名を冠する本賞を、記念事業として創設する。
概 要
【目的】
創造的で、かつ機能的にも技術的にも卓越した建築作品と、その設計者を讃えること目的とする。
日本の組織型設計体(組織設計事務所およびゼネコン設計部など)において、特に若手設計者による建築作品を募集する。
※組織型設計体の基準は審査員の判断によります。また、応募者は名古屋工業大学出身者に限りません。
【選考対象作品】
竣工後5年以内の建築作品を対象とする。
− 建設地は国内外を問わない。
− 種類・規模は問わない。
再応募も可とする。
【表彰対象者】
一作品について、実質設計担当者2名までを表彰する。
【賞の種類】
- 鈴木禎次賞 大賞
- 一点 賞金30万円
- 鈴木禎次賞 入選
- 数点 賞金10万円
※審査結果によっては佳作を選出します。
【審査員】※敬称略
- 隈 研吾
- 建築家、東京大学 教授 ※ゲスト審査員
- 馬場璋造
- 建築情報システム研究所 代表
- 岡本 賢
- 光鯱会 会長、久米設計 顧問
- 小野徹郎
- 名古屋工業大学 名誉教授、椙山女学園大学 教授
- 田中孝典
- 山下設計 代表取締役社長
- 野呂一幸
- 大成建設 前設計本部長
- 若山 滋
- 名古屋工業大学 名誉教授、中京大学 客員教授 ※審査員幹事
募集要項
【応募方法】
応募書類(申請書と作品資料)について、「印刷物」、および、「電子データ(JPEG形式、4,961x3,508pixel程度)をおさめたCD等」を各一部、郵送または宅配にて当募集係宛にお送りください。
※応募書類は、当WEBページより入手してください。
応募書類のダウンロード
【応募の〆切】
2013年7月15日 当日消印有効
【備考】
応募は無料。ただし、応募に要する諸費用は応募者負担とします。
組織型設計体ごとの応募数の制限はありません。
【提出先】
〒466-8555 名古屋市昭和区御器所町 名古屋工業大学
24号館314 鈴木禎次賞係
Tel&Fax:052-735-7967
その他
【注意事項】
提出された応募書類などは返却しません。
「鈴木禎次賞」に関するマスコミやWEB上での広報、PRおよび教育のために、当事務局は、作品資料、審査および授賞式での写真や映像を使用できることとします。その際、必要に応じて編集などを行う場合があります。また、改めて資料の提出を依頼することがあります。
応募書類などに関するすべての権利処理を事前に済ませてください。万一、第三者から権利侵害などの主張がなされた場合は、応募者の責任負担で対処してください。
ご提供いただいた個人情報は当賞運営以外の目的には使用しません。
その他明記されていない事項については、事務局の判断により決定します。
【審査方法】
審査は、当賞審査委員会が行います。
所定の応募書類(申請書と作品資料)により、一次審査を行います。
一次審査により選出された作品には、追加作品資料(A3サイズ十枚まで)を求めます。
提出された資料を用いて最終審査を行い、入賞作品を決定します。
※必要に応じて現地案内を要求する場合もあります。
【実施日程】
- 募集開始
- 2013年4月下旬
- 申請書・作品資料〆切
- 7月15日
- 一次審査
- 7月末
- 追加作品資料〆切
- 9月上旬
- 最終審査会
- 9月末頃
- 授賞式
- 11月上旬 予定
【補足】
受賞作品については授賞式において作品紹介を依頼いたします。
問合先
〒466−8555 名古屋市昭和区御器所町 名古屋工業大学内 鈴木禎次賞事務局 担当:夏目欣昇
Email:yn@nitech.ac.jp Tel&Fax:052-735-7967